大人の恋は波乱だらけ!?
仕事は簡単な処理作業だった。
私は専属のシナリオライターという立場だが最近では、こういった仕事も任せて貰えるようになった。
前まではシナリオを考えるだけという仕事だけだったから、少し嬉しかったりする。
私もこの会社の社員だって胸を張って言える気がした。

でも、いくら簡単とはいえ量が多すぎる。
ハァとタメ息を吐いて、背もたれに体を預けた。

同期の子は高梨部長も残業だと言っていたが、オフィスには私しかいない。
もう帰ってしまったのかと思ったが、彼のデスク付近には鞄が置いてある。
まだ社内にいるって事だよね?
そう思いチラリと振り向くが近くに人がいる気配もない。


「……」


気になった私は気晴らしがてらに社内を探すことにした。
彼の顔を見たらやる気も出るし、と尤もらしい理由を付けてオフィスを出る。
廊下を歩いていれば、どこからか話し声が聞こえてきた。


「だからお前のやり方は甘いと言っているんだ」

「甘いってなんですか!?
俺は俺のやり方で結果を出しているつもりです」


近付く度に大きくなっていく話し声。
それは会議室から聞こえてきていた。
僅かに開いていた扉から見つからない様に覗けば、社長と高梨部長が目に映った。

この光景を見るのは確か2回目だったはずだ。
でも何でこんな時間に話すのだろうか……。
まるで人目を気にするかの様に、就業時間外に話すなんてなにか理由があるの?
考えても分からず壁に背を預け身を潜めた。


「結果か……。
偉そうな事を言うな、私があの部署の担当ならお前の2倍は利益を上げている」

「また、利益、ですか?」

「当たり前だろう?それ以外に何の目的があるというんだ?」


馬鹿にした様に笑う社長に腹を立てたのか、高梨部長は悔しそうに声を絞り出していた。
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