大人の恋は波乱だらけ!?
「桜木……?」

「ごめ……ごめんなさい私……」


混乱して上手く言葉が出てこない。
だって私は高梨部長を裏切って昴さんとキスをして。
それなのに優しくされる資格なんて……。

震える体を再び誰かに抱きしめられた。

今度は低い声で。
でも、いつもよりずっと優しい声だった。


「コイツは俺のモノだからよ……別れろよ」

「す、昴さん!?」


衝撃的なその言葉に目を見開いた。

何を言って……。

驚いていれば昴さんの顔が私の方に向いた。


「今井を傷付けたくないんだろ?
だったら俺のモノになれよ」

「っ……!!」


いきなり出てきた明美の名前に声が出なくなった。

だって、明美を守りたいけれど。
私が彼のモノになるのは違うと思う。
それこそ、明美を傷付けるのではないか。

考えていれば、隙が出来たみたいだ。

力強く抱きしめられて、彼の体にピタリとくっついてしまう。
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