大人の恋は波乱だらけ!?
売上UPは夢の道?
あの飲みから2,3週間が経ち、9月へと入っていた。

【大人の恋愛ゲーム】も佳境に入って忙しい日々を送る中。

私と社員はオフィスで頭を悩ませていた。

その理由は、大人の恋愛ゲームの売り上げを2倍にする方法を考えているからだ。
社長との約束を果たさないと、高梨部長のやり方を認めて貰えない。
それを阻止するために私は何としてでもゲームを売らなければいけないのだ。

シナリオは何とか完成させた。

自分なりに納得するものが出来たし。
社内での評判も中々のものだった。

だけど、売上2倍というのはあまりにも大きくて。
このまま何もしないのは不安でしかない。


「んー……ターゲット層は大人って事だけどさ……。
別に過激なシーンが入っている訳じゃないし、高校生とかでも十分楽しめるんじゃない?」


田中先輩がボソリと呟く。
それを皆は笑って聞き流していたが、私はハッとした様に目を見開いた。

そうだ。
大人向けに宣伝はしているけど……。
幅広い世代の人たちが注目をしてくれれば、何とかなるかもしれない。


「それですよ!!」


私は立ち上がって田中先輩に駆け寄る。


「葉月ちゃん?」

「30代女性だけではなくて、色んな世代の人に呼び掛けましょう!」


首を傾げる田中先輩に満面な笑みを浮かべてオフィスを見渡す。


「呼び掛けるって……一体どうやって……」


不安そうな皆を見ると少し自信がなくなってしまうけれど。
目標達成という使命が私の背中を押す。
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