大人の恋は波乱だらけ!?
「例えばですけど、このゲームのストーリーを凝縮させて小説にします。
宣伝の為のモノですから凄く短くして。それを出版社の人に掲載して貰うんです。
高校生向け、20代向け……といった様に幅広い世代に向けて発信するんです。
それぞれの世代に最も注目されている雑誌の1部や、どこかに載せて貰うというのはどうでしょう!?」


パッと浮かんだアイディアだったがそれなりにいい線を言っているのではないか。
そう思って皆の顔を見るがあまり望ましい反応ではなかった。


「いいと思うけど……。その小説は誰が書くの?」

「今から小説家を見つけるのは難しいわよ」


そこがネックだったみたいだ。
困り果てる皆を前に、ぎゅっと拳を握りしめる。

そして、小さく笑顔を浮かべた。


「……私が書きます」

「え……?」

「……この作品は皆さんの想いが籠められて形になっていくと思います。
それを私なんかが代表するのは恐れ多いですけど……。
何としてでも、この作品の良さを、皆さんの想いを伝えたい。
だから……私に書かせてください……」


勢いよく頭を下げる。

本当は怖くて仕方がない。

私には才能がある訳ではない。

今までコンクールに通った試しはないし。
自己満足で小説を書き続けてきただけだ。

だけど。

やっぱり、小説を書く事が好きだ。
それだけは誰にも負けない自信があるから。
< 325 / 514 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop