大人の恋は波乱だらけ!?
お互いの小説を読みだして数十分が経った頃。
私は続きを読めないまでに心が締め付けられていた。


「おい……」


そんな私を少し引き気味に見つめる昴さん。


「なっ……なんですかっ……?」

「何で泣いてるんだよ!?官能小説で泣く奴があるか!!」

「だって……」


鼻を啜りながら昴さんの方を向いた。

ウゲェと引き攣った顔の昴さん。
そんな顔をしなくたっていいのに。

そう思うけど、仕方がない事だ。

だって私は馬鹿みたいに泣きじゃくっているのだから。
彼の小説を読んで。


「哀しすぎますよっ!
お互い好き同士なのに……体だけの関係なんてっ……」


涙がかった声で必死に訴える。


「分かったから原稿に鼻水を垂らすなよ」

「垂らしませんよっ!!」

「汚い奴だな……」

「んっ……痛いですっ……」


ティッシュで乱暴に私の涙を拭く。
面倒臭そうに振る舞っているのに、優しい顔をしている様に見える。
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