大人の恋は波乱だらけ!?
壊れかける友情
「葉月ちゃん!見たアレ!?」

「アレとは……?」


出社した瞬間に景子先輩が駆け寄ってくる。
いつも大人びた彼女からは想像も出来ない慌て様だ。
心当たりがない私は首を傾げるが、いつの間にか私の隣にいた田中先輩がスマホを見せてくれる。
戸惑いながらも画面を覗き込み、書いてあった事をそのまま口に出して読む。


「【禁断の大人の恋愛、でも高校生でも出来るらしいよ!】
【絶対買う!ってかあの小説良かった!】
【主人公にめっちゃ共感した!どうなるか楽しみ!】」


えっとこれって……。
もしかして……。


「【大人の恋愛】のゲームの小説の反応よ!」

「雑誌に小説を載せた事が良かったみたいだね」


満面な笑みを浮かべる景子先輩とウインクをする田中先輩。
表現は違うけれど2人とも喜んでいる様だ。
もちろん私だって……。


「よかった……」


ホッとしたようにタメ息を吐いて、近くにあった椅子に座り込んだ。

逆効果だったらどうしよう。
その不安がずっと頭のどこかにあって心配だった。

だから……本当に良かった……。


「葉月ちゃん泣きそうになってる、ほら俺の胸で泣いていいんだよ」


優しく笑いながら両手を広げる田中先輩。
それを景子先輩はジトッとした目で見ていた。
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