大人の恋は波乱だらけ!?
「皆さん、どう思いますか?
社長の息子だって隠して普通に社員として働いているなんて……。
裏切られた感じしません~?」


後ろを振り返れば、そこには明美がいた。
いつもに輝いた元気いっぱいな笑顔ではなくて、怪しげな黒い笑み。
思わずゾッとしてしまうものだった。


「貴方は……」

「販売部のモノですけど……昨日偶々、社長と高梨部長が話してるのを聞いてしまって~」


先輩の問いに口元に手を当てて笑いながら答える明美。
それを見ながら皆は固まっていた。

信じたくない、そういった顔をしている。


「高梨君……本当なの……?」


皆を代表する様に景子先輩が口を開いた。

一瞬だけ躊躇う高梨部長だったけど、すぐにふっと頬を緩めたんだ。


「ああ、本当だよ」


その顔は、今まで見た事がないくらい……哀しそうなモノだった。
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