大人の恋は波乱だらけ!?
「……」


高梨部長への批判で溢れるこのオフィス。

一刻も早くここから出て行きたい。
その気持ちがいっぱいで軽く俯いた時だった。


「桜木、出版社と打合せの時間だろ?」

「た……高梨部長……」


扉の所には優しく笑顔を浮かべた高梨部長がいた。

彼はゆっくりと私の方に近付いてくる。


「ほら、早く行け」

「で……でも……」


こんな空気の中で高梨部長を1人にするのは嫌だ。
そう思い彼を見上げるけど……。


「こら、急がないと遅れるぞ」


私の鞄を掴み、渡してくれる高梨部長。
彼の笑顔に押されて小さく頷く。


「……はい、行ってきます」

「ああ、気を付けてな」


優しい彼に送られてオフィスを出る。

高梨部長は大丈夫だろうか……。
あんな空間に居たら……彼は傷ついてしまう……。

そう思うけど、時間は待ってはくれない。
急いで待ち合わせの場所へと向かった。
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