大人の恋は波乱だらけ!?
「ただのムカつく女だって思ってた。
好きな訳ねぇって……だが……お前が頭から離れねぇんだよ。
馬鹿みたいな笑顔も、我慢し続けた涙も、必死な姿も!
全てが……俺の心を掴んで離さない」


抱きしめられる力が強くなっていく。

苦しい程の力。

だけど……。
そんな事が気にならないくらい嬉しかった。


「俺にはお前が必要だ。
地位も名誉も何もないしお前に辛い思いをさせるかもしれねぇ。
俺が出来るのは……お前が好きだと言ってくれた小説で夢を叶える事だけだ。
だから……一緒にその夢を追いかけてくれ……。
必ずお前を幸せにする」

「昴さ……ん」


喉の奥が熱くなって声が満足に出せない。

だけど。

幸せだって、胸の奥から沸々と湧き出てくる。


「好きなんだ、お前が」

「……私……私も……」


全てを曝け出してしまおうと口を開いた時だった。

それを遮る様に鞄の中にあったスマホの振動が聞こえてきた。


「……」

「……」


中々消えない振動。
それは着信を表していたんだ。


「……出ろよ」

「でも……」


私はまだ大事な事を伝えていない。
そう思って口を開こうとしたけど……。

鳴り続けるスマホに負けて電話へと出た。
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