大人の恋は波乱だらけ!?
お医者さんの話によれば心臓からくる病気だそうだ。
かなり前から悪くなっていたらしいが家族にも内緒にしていたらしい。
今のところ命には別状はないが絶対安静が必要とのこと。
「俺は何を見てたんだ……。
父さんのこと何も分かってなかった」
「……」
「最近やたらと跡を継げってうるさかったんだ。
その裏に……こんな事情があったなんて見ようともしなくて……」
高梨部長はそう言って震えていた。
そんな彼に『大丈夫』のひと言しか言えなくて。
自分の無力さを痛感した。
高梨部長が辛い時に私は何も出来ない。
彼を安心させる事も、癒す事も。
何も出来ないんだ……。
「高梨部長……社長は大丈夫ですよ。
貴方が信じずに誰が信じるのですか……?」
「……そう……だな……。
こうやって後悔していても始まらない。
今は俺に出来る事をやるだけだ……」
「……はい」
高梨部長は顔を上げるとゆっくりと私の方を向いた。
「ありがとう桜木」
「……私は何も」
「いや、お前が傍にいれば俺は強くなれる」
無力な私に高梨部長は笑いかけてくれる。
そんな貴方を……。
私は裏切ろうとしているのか……。
ズキンと痛んだ胸の奥に昴さんの事が浮かんでいた。
かなり前から悪くなっていたらしいが家族にも内緒にしていたらしい。
今のところ命には別状はないが絶対安静が必要とのこと。
「俺は何を見てたんだ……。
父さんのこと何も分かってなかった」
「……」
「最近やたらと跡を継げってうるさかったんだ。
その裏に……こんな事情があったなんて見ようともしなくて……」
高梨部長はそう言って震えていた。
そんな彼に『大丈夫』のひと言しか言えなくて。
自分の無力さを痛感した。
高梨部長が辛い時に私は何も出来ない。
彼を安心させる事も、癒す事も。
何も出来ないんだ……。
「高梨部長……社長は大丈夫ですよ。
貴方が信じずに誰が信じるのですか……?」
「……そう……だな……。
こうやって後悔していても始まらない。
今は俺に出来る事をやるだけだ……」
「……はい」
高梨部長は顔を上げるとゆっくりと私の方を向いた。
「ありがとう桜木」
「……私は何も」
「いや、お前が傍にいれば俺は強くなれる」
無力な私に高梨部長は笑いかけてくれる。
そんな貴方を……。
私は裏切ろうとしているのか……。
ズキンと痛んだ胸の奥に昴さんの事が浮かんでいた。