大人の恋は波乱だらけ!?
翌日


傍にいて欲しいと頼まれた私は病院で彼と共に一夜を過ごした。

仕事の為、私はひと足先に自宅へと戻り会社へと向かった。
昴さんは家にはおらず顔を合わせる事も無かった。

仕事をしていても、頭に浮かぶのは昴さんと高梨部長の事だ。


「……大丈夫かな……」


心配なのは高梨部長だ。
オフィスでの不穏な空気に加え、父親の病気。
只でさえストレスを抱える立場なのに……。
これ以上、あの人を苦しませないで……。


「あの人は今日来てないの?」

「社長が倒れたからその看病だろ?いいよなー社長の息子は」

「これが原因であの人が社長になるかもよ」


こんな状況でも高梨部長への陰口は治まらない。
寧ろ悪化しているような気がするんだ。


「あの!こんな時くらい助け合いませんか……」


勇気を振り絞って口を開けば冷めた目が私に向けられる。


「助け合う?そんな必要ないし」

「そうそう、今思えばあの人はいつも1人でやりたがってたじゃん。
だから私たち何ていらないんだよー」

「言えてるな。桜木も目を覚ませよ」


その言葉は私の胸を突き刺すのには十分すぎた。

高梨部長は皆に優しかった。
仲間想いで、部下がどんな失敗をしても、切り捨てる事は無く……。
厳しく優しく指導してきた。

それなのに……。
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