大人の恋は波乱だらけ!?
「俺さ、ずっとお前が好きだった」

「……え……」

「大学の時からずっと!まあ、報われない恋だったけどな!」

「ちょ……ちょっと待って頭がついていかない……」


混乱をする私をよそに友輝は話し続ける。
少し哀しそうに、でもどこか吹っ切れた様に。


「まあ、最近までずっと引きずってたんだけどよ……。
何かヤキが回ったのか知らないけどよ……絶対に好きにならないと思ってた奴が気になり始めたんだ」

「そ……それってまさか!」

「そ、アイツ……明美だ」


少し照れた様な友輝を見ていると幸せな気持ちになる。
彼の色恋沙汰の話を聞くのは初めてで少し不思議な気分だけど。

それに友輝の気持ちなんて全く知らなかったし……。
ごめん、友輝……。

心で謝りながら幸せそうな友輝を見つめる。


「……私は大学の頃から似合ってるって思ってたよ。
2人とも似た者同士だし」

「あのなー仮にもお前の事を好きだった人間に言う台詞かよ」


呆れ顔の友輝に苦笑いを浮かべる。
こうやって気まずい雰囲気にならずに済むのは私たちの絆のお蔭だ。


「ま……まあそれは……うん。
でも今は明美の事が好きなんでしょ」

「好きってか気になってるって言うか……。
……新條さんの事でお前と喧嘩してから……ちょくちょく相談乗っててよ。
アイツああ見えても涙腺弱くて……泣いてるアイツ見たらこう……守ってやりたくなったって言うか……」


真っ赤な顔を隠す様に友輝はビールを一気に流し込んだ。
そんな彼を見て口元を緩める。
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