大人の恋は波乱だらけ!?
その後に高梨部長のお父さんが倒れたって連絡を受けてすぐに駆けつけて……。
次の日にフラれたって事は……。

昴さんは私を想って身を引いてくれた……?
都合のいい考えかもしれないけれど、だってそれしか考えられないんだもん……。


「昴さ……」

「もしかして……。
だから新條さんはお前に嘘を吐いてまで離れようとしたんじゃないか……?」


友輝も私と同じ考えに辿り着いたらしい。
それが淡い期待を膨れ上がらせた。

でも……。


「分からない。分からないけど……。もういいの!」

「待ってどういう事?」


状況の把握が出来ていない明美に友輝は説明をしていた。
そんなやり取りを遠目で見ながら、ふと昴さんの事を考える。

ひと言で言えば、馬鹿な人。

叶うかも分からない夢を追い続ける為に人生の全てをつぎ込んで……。
それでも諦めずに闘う強い人。

そんなあの人は直ぐ怒るし、私を馬鹿にするけど……。
哀しい時も、辛い時も。
何も言わずに傍にいてくれた優しい人。


「馬鹿じゃん私……」


誰にも聞こえない声でポツリと呟く。

だって今更気付いてしまったんだもん。

昴さんは女の人を道具としか見てはいないけど……。
故意に誰かを傷つける様な事はしなかった。
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