大人の恋は波乱だらけ!?
そんな彼が私の部屋で女性を抱く何てあり得ない。
ワザワザ見せつける様に……。


「……葉月……ごめ……」

「もう謝らないで」

「え……」

「もう終わった事だから」


今更、気が付いたってどうにもならない。

それに……。

昴さんが本当に私の為に身を引いてくれたのなら……。
私はそれに恥じない行動をしないといけないんだ。

それが……。
昴さんへの礼儀だ。


「終わった事って……お前はそれで本当に……」

「友輝、しつこい」

「だけどよ!好き同士が結ばれないなんて納得出来ねぇよ!!」


彼はドンとグラスをテーブルに叩きつけると私の目を見つめた。
そんな友輝を一瞥した明美はそれに続く様に私を見つめる。


「ねえ、葉月。アタシが言うのもなんだけどさ……。
スバルさんはアンタを愛してたよ」

「……」

「まあ、高梨部長がアンタを幸せに出来るのは確かだけどさ。
幸せってのは……お互いの気持ちがあるからこそ生まれるものだと思うよ」

「ってかよ、本当にお前が言う台詞じゃねぇよな」

「うるさいわね!バカ友輝!」


2人の相変わらずのやり取りを聞きながら、空いたグラスを見続ける。
表面を覆う雫が流れていくのをただひたすらと目で追っていた。
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