SECRET COCKTAIL
せめてこの一杯を飲む時間位、ゆっくりと二人きりの時間を楽しみたいと思うのに。
扉の外が、やや騒がしくなってきていることに嫌でも気付く。
時計を見ると、もうとっくに開店時間は過ぎているし。
そろそろ、私以外のお客さんが来る時間だ。
ガヤガヤと騒がしい声がはっきりと聞こえてきて。
やっぱり、と諦めに近い溜息が漏れた。
心なしか、目の前の雅君の表情が。
今までの穏やかな表情とは違い、やや不機嫌そうに見える事が。
重くなった気分を、少しだけ軽くしてくれた。