SECRET COCKTAIL
「雅弥君ありがとう。美來に勉強教えてくれたんですって?」
私がお茶を準備するためにキッチンに立つと、食事の席に座った雅君にお母さんが話し掛けていた。
「いえ、ほんの少しだけですよ」
「助かったわー。この子、お兄ちゃんと違って勉強が苦手でね」
「お母さんっ」
慌ててみんなの席に飲み物を置いて、自分の席に座ると。
お母さんが意味あり気な笑みを浮かべて、私の顔を覗き込んでくる。
「あら、本当の事でしょう?」
改めて言われて、ぐっと言葉に詰まる。
ただでさえ、お兄ちゃんの通っていた進学校と私の通っている高校ではレベルの差がはっきりあるのに、その高校でも私の成績は中の下辺りを行き来していると言って良かった。