SECRET COCKTAIL


「きっと雅君のお父さんって、雅君に負けず男前で優しい人なんだろうね」


私が言うと、雅君は自分のオムライスをスプーンで口に運ぼうとしたまま、きょとんと目を丸くした。


「だって、料理って人柄が出るでしょう?こんな繊細で幸せな気持ちになれる料理が作れるなんて、よっぽど素敵な人なんだろうな」


雅君の人柄がとびっきり良いのはもう分かり切ってるし、と言ってから笑うと。


雅君は、くしゃりと一瞬だけ、嬉しそうに破顔した。



うわぁ、と。


その破壊力抜群な笑顔に見惚れてしまった。



やられた。



心臓がどくんどくんと鼓動を早める。


いつもの大人びた笑顔じゃなくて。

年齢より幼くみえるような無邪気な笑顔。


心底嬉しそうに見える不意打ちのその笑顔に、なんだか頬が熱を持つ。

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