SECRET COCKTAIL
「インターホン押す前に二人が帰って来たから、物音立てない方がいいと思ってここにいた」
よりによって雅君に。
好きだ、と気付いてしまった相手に聞かれてしまうなんて。
「美來」
「・・・なに?」
「穂積には黙っててやるから、ちゃんと返事してやれよ」
「わ、分かってる」
「もし付き合うなら、ちゃんと穂積にも紹介しろよ」
「私はっ」
「俺は、美來が決めた事を応援してやるから」
「・・・・・」
優しい声で。
そんなに優しい声で。
私の恋を応援なんてしないでほしかった。
知っていたのに。
私には見込みのない恋なんだって、気付いたばかりだったのに。
こんな風に思い知らされなくたって、分かっているのに。
なんて、残酷なんだろう。
私の初恋は、やはり誰に知られる事もなく。
伝える事も出来ないまま、こうして終わってしまうんだ。