SECRET COCKTAIL
「お姉さん、飲みに来ない?」
「お店、決まってる?」
すぐにキャッチの声が掛かって来て、軽く頭を下げながらそれをかわして歩く。
多くの飲み屋が軒を連ねているこの通りは。
足を踏み入れるだけで、独特な雰囲気に飲みこまれる。
他の通りとは明らかに様子が違う、異質な場所。
目的を持たない人が足を踏み入れる事はほとんどないだろう。
心細くなって周囲を見回す。
すでに一軒飲み終えて陽気な人。
髪を綺麗に巻いている綺麗なお姉さん。
いかにもホストらしいスーツを着た金髪の男の人。
着物を着て髪の毛を綺麗に結い上げたホステス風の女の人。
スキンヘッドの厳ついおじさん。
様々な人が歩いていて、高校生の私は気後れしてしまう。