SECRET COCKTAIL
お兄ちゃんは今、海外で働いていて。
私が雅君と再会した後に日本を離れる事が決まって、出国する前に雅君に私の事を託したと言っていた。
それは、心配性のお兄ちゃんの一方的なお願いなのに、雅君は律儀に親友との約束を果たしてくれている。
「雅君」
「ん?」
もう、解放してあげるべきなのかもしれない。
唐突にそんな事を思った。
私が傍に居たら、雅君はきっと。
思い出したくもない事まで、思い出してしまうだけだから。
「・・・私、多田君と付き合う事にした」
「は?」
雅君が、動きを止めて私を見ているのを気配で感じた。