SECRET COCKTAIL
「今まで付き纏ってごめんなさい。雅君は優しいから、私を拒めなかったって分かってる。それに図に乗って、気付かない振りしてたの。私が雅君を困らせてるって事を」
「美來、俺は」
「だけど、もう止める。もう、困らせたりしない。もう、こんな風にお店にも来たりしない」
「・・・・・」
それは、私にとっては物凄く覚悟が必要な言葉だった。
だって、もうこうして雅君に会えなくなると考えるだけで、胸が苦しくて、痛くてどうしようもない。
もしかしたら、雅君が引き留めてくれるかも、なんて甘い願望も抱いてみたりするけれど。
当然のように雅君は何も言ってはくれなかった。
「だから、一つだけお願い聞いてくれる?」
「・・・言ってみれば」
雅君らしい返しに、口元に笑みが浮かぶ。