SECRET COCKTAIL


「なんだよ。分かった、そんなに連れて行って欲しいなら別の日にでも、」


「違うっ」


もう、何を言いたいのか自分でもぐちゃぐちゃだった。

でも、自分の中に滾る想いを、今ぶつけてしまいたかった。


「あの人に笑うみたいに、笑って欲しかった。あの人に話すみたいに、優しい声を聞きたかった。あの人にするみたいに、私にだって」


「だから、美來、あの人って誰だよ。言ってる事が分かんねぇ」


「・・・今日一緒に出かけた女の人」


「は?彩芽さんか?なんでお前が知ってんだよ」


「あの人のお願いは聞けて、どうして私はだめなの」


「未來、お前とあの人は全然違う」


「そんな事分かってるよっ。分かってるけど、それでもっ」



駄々をこねる私に呆れたんだろう。

雅君は諦めたような声で「分かったよ」と呟いた。

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