SECRET COCKTAIL
「で?美來は、俺にどうしてほしいって?」
「私は」
「お前に、客に笑うみたいに笑えばいいのか?客に話すみたいに、営業トークしろって?同伴みたいな真似でもしたらいいのかよ」
「・・・そうじゃない」
「そう言うことだろ」
それなら、あの彩芽さんという人には、お客さんだから言う事を聞いたとでも言いたいんだろうか。
不機嫌そうな雅君の声が、私の混乱する気持ちを更に助長させる。
「それなら、お客さんとしてなら、私の言う事聞いてくれるの」
「・・・そう扱ってほしいならな」
雅君にとって優先すべきモノがお客さんという立場なら、今の私はそんなモノにすら縋ってしまいたかった。
だってこんなにお店に通っていても、私はそのカテゴリーにも入れて貰う事が出来ていない。