SECRET COCKTAIL
触れた唇は、冷たかった。
「まさ、」
唇は、一度離れて。
至近距離で雅君の瞳と視線が絡む。
その瞳に映るのは。
戸惑いなのか、後悔なのか。
それでも交わった視線には、確かに揺らめくような熱が宿っているように見えた。
初めて見る雅君のそんな瞳に耐えられなくて、そっと瞳を閉じた途端。
一度離れていた唇は、閉じた瞳に呼応するかのように再び重なった。
乱暴に触れただけのさっきのキスとは違い、そっと触れられて優しく交わり徐々に熱を帯びていく唇。
角度を変えられて執拗に追い詰められる度、女として求められているんじゃないかという倒錯した想いに、胸の奥が喜びに震えた。