SECRET COCKTAIL
「美來が、いつも悪いな」
そう言うと、雅弥の眉がピクリと動く。
めずらしい。
この男が、分かり易く表情を変えるなんて。
大方さっき不機嫌だったのも、我が妹のせいかと思い当たった。
「あいつが、何かしたか?」
「いや、俺が悪い。美來を泣かせた」
「・・・おい。事と次第によっちゃ、黙っちゃいねぇぞ」
と言ってはみたものの。
「悪い」と隣で呟くこの男が、美來の不利になる事をするはずがないと、漠然とした自信があったりもする。