SECRET COCKTAIL


そんな思考に囚われて憮然とする俺に、母さんがまた言った。


『美來を通じて、みんなの血が繋がったのよ』


そう言ったんだ。


親父と、母さんとの間に美來が生まれて。

美來と俺は血が繋がっている。

そして、母さんと美來の血が繋がっているから、美來を通して家族みんなが繋がっているのだと。

今思えば、子供だましのような台詞ではあるけれど、あの時俺はその言葉に救われた気がした。



それを聞いた瞬間。


その意味を理解した瞬間。


憑き物が落ちたような感覚がした。



その途端、俺にとっては美來が、とてつもない宝物のように思えたんだ。



俺にとって、かけがえのない存在なのだと。


決して失ってはいけない存在なのだと。


これからは、この子を何があっても自分が守るんだと、子供心に決意したんだ。





雅弥は、家族以外で唯一、その話を知っている。


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