SECRET COCKTAIL
「どれ、美來、俺にも食べさせて」
「え?うん、もちろんいいよ」
私は一口分スプーンに掬って、そのまま雅君に渡そうとしたけれど。
その私の手を掴んで、顔を寄せてきた雅君がそのままスプーンの先端を口に入れてしまった。
思いがけない行動に、つい顔が赤くなる。
どきどきしているのはきっと私だけで。
雅君は平気な顔をしたまま。
「合格」
と優弥君に一言。
「やったね。俺、もう一回作るから、兄貴も食べてな」
うきうきとした声でそう言って。
優弥君は厨房へ消えていく。
厨房からは機嫌良さげな鼻歌が聞こえてきて、雅君は苦笑いを浮かべた。