SECRET COCKTAIL
「兄貴には言わないでね」
照れたような顔で笑う優弥君は、全て知っている。
雅君が何を考えて。
誰の為に、何をしたのか。
だからこそ、彼は真っ直ぐに自分の夢を叶えたのだろう。
自分の夢を支えてくれた、兄の為にも。
それを知ってしまったら、涙腺が緩みそうになって慌ててぐっと奥歯を噛みしめた。
私が泣いてしまったら、絶対雅君に気付かれてしまうから。
「だから、兄貴の事、よろしくお願いします」
真剣な瞳を向けて来る優弥君に、必死で頷きを返す。
雅君に似た瞳が優しく笑みを浮かべてくれるから、胸の中が温かくなった。