SECRET COCKTAIL
その男の存在は当然気になるけれど。
少なくとも彼女が好きな相手はその男ではないし、ましてや彼氏でもない。
それなら、やはり気になるのは別の事だ。
俺は咄嗟に頭に浮かんだ言葉を口にした。
「・・・あなた、より?」
「・・・・・」
なんとなく、男の勘ってやつでそれを言ってみたけれど。
目の前の男は僅かに眉を寄せて、更に眼光鋭く睨むような視線を向けて来るだけだった。
少しはこの男の仮面を剥がせるかと思ったのに。
一瞬表情を変えただけで、すぐに無表情に戻ってしまう。
俺の勘違いだろうか。
そうかもしれない、とも思う。
だけど、彼が俺に向ける気迫めいたものは。
俺を警戒して敵視していると思える以外のものではなくて。
それをふまえて考えれば。
彼自身が彼女を大切に想っているのだろうと考えるのが自然な成り行きだ。