SECRET COCKTAIL
はっきり言ってこの男が、彼女の事をどう想っていようが俺には関係ない。
「彼女が今、誰を想っていようが諦めるつもりはありません」
ただ、彼女の気持ちを手に入れるために、彼に認めてもらう必要があるのなら、そのための努力はするつもりだ。
だけど。
「同じ土俵に立つつもりがないのなら、早いトコ彼女を解放してもらえませんか?」
敵に塩を送る、という訳ではないけれど。
どうせなら、正々堂々彼女を手に入れたい。
そう思ってしまう俺は甘いんだろうか。
「お前、なかなかいい根性してるよな」
相手の男は、呆れたような視線を向けて来る。
「褒め言葉として受け取っておきます」
一応そう返してみたけれど。
さっきより表情が和らいだ彼に。
なんだ、自分の勘違いだったのか、と思いかけた時。
目の前の男は、カクテルグラスをぐっと煽り。
カツン、と音を立ててそれをテーブルに置いた。