強引な彼の求愛宣言!
深いキスはそのままに武藤さんの手がカットソーの襟ぐりから侵入してきて、私の肩を撫でる。

思わず声をもらしそうになってしまったけど、ぴったりとくちびるをふさがれているせいでそれは叶わなかった。



「……痕、消えちゃったな」



ようやく離れたキスの隙間で、武藤さんがつぶやく。

一瞬、言われたことの意味がわからなくて。けれどもそれがこないだ首筋につけられたキスマークのことだと思い当たり、私はついくちびるをとがらせる。



「あれ、隠すの大変だったんですよ」

「ふ。まさかあんな堂々とケガっぽく見せてるとは思わなかった」



言いながら、先日まで痕がついていたあたりに彼がちゅっとキスを落とした。

応接室でのやり取りを思い出したのか、口元には含み笑い。



「笑いごとじゃないです……」

「また、つけてあげようか。仕方ないから今度は服で隠れるところに、……でも、たくさん」



ほとんど耳元にくちびるをくっつけながらささやかれて、ぞくりと肌が粟立った。


……ああもう、すき。最初憧れた、紳士でやさしい彼じゃないけど、それでもすき。

もてあそばれるのは構わない。それでも、この気持ちは口にしたいと思う。

私、自分でも思った以上に聞き分けが良くないみたいだ。身体いっぱいに満ちて溢れてしまった想いは、もう、おとなしく秘めてなんかいられなくなってしまった。
< 55 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop