強引な彼の求愛宣言!
片手でこぶしを握りしめ、青島の熱弁は止まらない。



「そうっすよー。つーか、武藤さんの場合イイ声に加えて顔もイケメンだからズルい! 不公平だ!!」

「そんなこと言われてもな……」



苦笑して、背後の冷蔵庫に身体を寄りかからせた。

ズルいとか言われても。自分で選んだわけでもなく、生まれてこの方ずっとこの声と顔なんだから困る。


空になったらしいカップをシンクに置いた青島が、水道の蛇口をひねりながら続けた。



「実際モテてるでしょ、武藤さん。こないだアパートの契約に来てた若い女の子から、結構ガチめに連絡先訊かれてたじゃないですか~」

「あー……」



まあ、あったな、そんなことも。

そこでホイホイお客さんに手ぇ出すわけにもいかないし、さりげなくかわしたけど。



「アレを断るなんてもったいないっすよ……! 結構カワイイ子だったのに!」

「ああいうのは、かわいいとかかわいくないとかの問題じゃないだろ」

「!! そういうことサラッと言っちゃいますか……!? これだからイケメンは!!!」



なんだ、この理不尽な詰りは。というかあんまり調子乗んなよ青島。

貼り付けた微笑みの裏側でそろそろお仕置きを考え始める俺を横目に、ふと青島が深いため息を吐いた。



「はあ……やっぱ武藤さん、カッコイイっす。俺が5人束になって挑んでも勝てる気しないですもん」

「へぇ。つまり6人以上なら勝てると思ってるのか」

「や!! 無理ですすみませんでした!!」



体育会系のノリが身体に染み付いている青島は、先輩であるこちらがちょっとでも負の感情をチラつかせると全力で謝ってくる。

というか、人のことイケメンだなんだと散々言っているコイツだって、見た目はそう悪くない方だと思うんだけど。彼女できないのはこのウザすぎる内面が原因では……?
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