Savior-社長は救世主-

「澪」



そんな優しく呼ばれたら…
ゆっくり顔を上げる


色っぽい、
暗灯りに照らされる社長の顔
そしてゆっくり近づいてくる

確かめるような優しいキス
このキス、好き


触れる手も好きだ
優しく大切なものを触れるかのように
私に触れてくれる

それがたまらなく好きだ
初めて感じる舌触りも
少しずつ感じる体温も
荒くなり始めた呼吸も…

初めてなのに、安心する



何度も呼んでくれる名前
肌に直接触れる社長の指先も唇

その度に私の身体は火照り
このままだと逆上せてしまう



『し……しゃ…ちょ』



ようやく出せた言葉に
どうした?と私の視界に入る



『熱いです』


どう伝えていいかわからない
それしか伝えられない

伝わっただろうか、
社長は俺もだ、と
私の額にキスを落とす
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