秘密の契約
「だから……外で会っている事にすれば……」



千波を見る日菜の目は薄暗い明かりの中でも潤んでいるのがわかった。



千波の指が日菜の頬に触れる。



「日菜……嘘を吐かせてごめん」



優しい日菜は親達に嘘を吐いている事が心苦しいのだろう。



日菜の目から涙がこぼれた。



「日菜……」



泣く日菜を見て愛しく思う自分がいた。



「日菜……」



もう一度名前を呟くと日菜を引き寄せ抱きしめていた。




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