秘密の契約
「ごめんね……あたしにはどうしてあげる事もできないや……」



愛が言うと日菜がハッと顔を上げた。



「愛ちゃん……あたしこそごめんね……自分の事ばかり……」



2人は校門をくぐった。



「気分転換にカラオケでも行く?」



愛がマイクを持つジェスチャーをして聞く。



頷きかけた時、日菜が名前を呼ばれた。



日菜は立ち止まって声のした方を向く。



「夏葉さん……」



校門の側に立っていたのはグレーのスーツを着た夏葉だった。



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