秘密の契約

家を出るという事は家元の地位も受け継ぐ事が出来ないという事だ。



「夏葉さん……」



「家元のネームバリューが欲しいわけではないんだ　育ててくれたおじいさまに喜んで欲しい一心で習い始めた華道だからね。家元になるように育ててくれたおじい様には申し訳ないが。花は好きだからこれからもどんな形であれ花とかかわっていくつもりなんだ」



千波は静かに夏葉の話を聞いていた。



「夏葉さんとあやめさんはお似合いです　夏葉さんが家元になれないのはすごいショックだけどお２人なら幸せにやっていけると思います」



日菜はにっこり夏葉に微笑んだ。



「ありがとう　日菜ちゃんたちもお似合いだ　幸せになって欲しい」