秘密の契約
「まあ、ひどいわ!主人に言ってあげるわ」


「ダメです!もういいんです 千波くんはお仕事なんですから 何も言わないでください」


言ってしまった事を千波くんに知られたら嫌われちゃう。



「でも日菜ちゃんが可哀想だわ」


「兄貴の立場も考えろよ」


郁斗の言葉は女2人に向けたものだ。


郁斗の一言でお母さんがしゅんとしてしまった。


日菜もあたしのわがままだよね……。と思った時、



「日菜、良い事思いついたぞ!」


郁斗が大声を出した。







郁斗の考えにお母さんも賛成した。


それは何かって言うと……。


あたしがニセコのホテルに泊まれば良いって言うのだ。


「それは……嫌だよ 郁斗……」


「大丈夫だって 仕事といっても24時間働きづめって訳じゃないんだから 熱い夜を過ごせよ」


「い、郁斗っ!!!」


もうっ!何言ってんのよ!!!



お母さんの前でそんな事を言われて顔が真っ赤になった。



「あら~ いいのよ 赤ちゃんが出来れば万々歳だわ 2人の赤ちゃんならとっても可愛いわよ~」



赤ちゃんと聞いてますます耳まで赤くなった日菜だった。




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