秘密の契約
「あたし一人じゃ嫌だよ……。それに愛ちゃんと梨絵ちゃんと約束しちゃったし。一度断っちゃったからもう断りたくないし……」



「お前ら女3人で寂しくクリスマスパーティをするつもりだったのか?」


郁斗が馬鹿にしたように言う。



「郁斗だってそうじゃないの?愛ちゃん、誘わないし……愛ちゃんがっかりしていたよ?」


「あら、郁斗にも彼女が出来たの?」


「彼女じゃないよ」


郁斗が否定する。



「……じゃあ、みんなでニセコへ行ったら良いんじゃないかしら」


お母さんが楽しそうに言うと郁斗もなるほどと頷いた。


日菜ばかりが戸惑っている。



「どうせ昼間は千波とは過ごせないんだからスキーでもして過ごしたら?あそこの雪は最高よ?」



「そう言えばずっとあそこへは行っていなかったな……」


郁斗も行きたくなってきた。



「でも、ホテルと飛行機が空いていないかもしれません」


日菜は何とかしてこの無謀な考えを止めさせようと言った。



「私に任せて♪まあ、飛行機しだいだけどお友達には電話をしてあげなさいな」




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