秘密の契約
会場の入り口には千波はいなかった。


日菜はいない事にホッと肩を撫で下ろす。


「日菜、そんなにビクビクしないの」


スーツ姿の青年が通るたびに日菜がビクついている。


日菜は愛に弱々しい笑みを向けた。


中へ入るとたくさんの客がいた。


カップルは少ない。


レストランか部屋で食事をしているのだろうか。


4人は飲み物のカウンターに並んだ。


「日菜、絶対に酒は飲むなよ」


郁斗が念を押す。


「わ、わかってるよ」


アルコールは日菜の体質にあわなくて前に酷い目にあった。


郁斗はパーティーが終わったらもう一滑りするつもりでコーラにした。


日菜はオレンジジュースをもらう。


4人は飲み物を片手にとりあえず食べる事にした。


3人は運動をしたからお腹が空いている。


飲み物をテーブルに置くと料理の列に並ぶ。


愛と梨絵は豪華な食事に目を輝かせている。


「おいしそうだね~」


梨絵が料理のおいてあるテーブルからお皿を取る。


日菜は食欲が無かった。


千波の事を考えれば考えるほど食べたくなくなる。



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