秘密の契約
ツリーの下に立った。


「すごく大きな木だよね」


電気は点いていないが近くでツリーを見ると圧巻だ。


それに久しぶりに2人っきりで日菜は少し緊張していた。


取り留めない会話しか言葉が出ない。


「そうだね この木はホテルにとって財産だよ」


「うん でも残念だよ……イルミネーションが点いていないなんて……!!!!」


残念がる日菜がそう言った時、<パァーッ>とイルミネーションが点灯したのだ。


「え……?点いた 点いたよ千波くんっ!」


イルミネーションが点いて日菜は驚きと共に嬉しそうな顔になった。


「すごく綺麗……良かった~♪」


日菜がツリーを見てから千波を見ると目が合った。


ずっと見つめられていたようだ。


「千波くん……?」


「喜んでくれてうれしいよ 落胆した後だと喜びは倍になるからね それに暗かったせいで周りには誰もいないし」


何を言ってるの……?


日菜が首をかしげる。


「あっ!もしかして千波くんの仕業?」


「そう、大事な日だから……これでも考えたんだ」


「大事な日……?」


日菜は首をかしげて千波を見た。



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