秘密の契約
今日は高校の卒業式。


千波くんも仕事を休んで出席してくれた。


父兄席に座った千波くんは在校生や卒業生に注目を浴びてしまっていたようだ。


式の合間にも女子高生に話しかけられていた。


あたしは気にしなくなった。


そんな光景にも慣れっこになってしまったし、入籍したせいで心に余裕もある。


毎日見慣れているあたしでさえドキドキと胸が高鳴ってしまうんだから仕方が無いなと思ってしまう。







「日菜、高校卒業おめでとう」


講堂を出て大きな花束を持った愛する旦那様を見つけると日菜はうれしそうに近づいた。


花束を持った千波くんは似合いすぎている。


あ、そうそう　あたしたちが入籍したというのは学校には内緒なの。


あたしたちの事を知っているのは家族と、愛ちゃんと梨絵ちゃんだけ。


「千波くんっ」


「日菜の制服姿ともこれで見納めか」


目を細めて日菜の制服姿を見て言う。




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