秘密の契約
最初の緊張も解けて愛ちゃんは後部座席に座った郁斗と話がはずんでいた。



賑やかな声と共に笑い声が助手席に座った日菜にまで聞こえてくる。




「日菜、休憩しようか?」



千波が日菜に声をかけた。



「あっ……ごめんね 千波くんが運転していて大変なのに気がつかなくて……」



「運転は好きだから疲れてはいないよ?日菜の方が疲れているみたいだ」



今朝、会った時から目のしたのくまが気になった。



今時の高校生なのに化粧をしない日菜はリップクリームぐらいでいる為、日菜の調子が手に取るくらいわかるのだ。



「そんな事ないよ?」



そうは言っても最近睡眠が浅く、なかなか寝付けないのだ。



そんな会話をしているうちに車はパーキングエリアに停まった。





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