恋の後味はとびきり甘く
『バイト、お疲れさまです! 晩ご飯、食べてないんですか?』

 私の問いかけに、少ししてから返信がある。

『実は休憩時間に外出したんで、まかないを食べそびれちゃいました』
『それって、もしかして私に会いに来てくれたせいですか?』

 そのメッセージを送信した直後、電話の着信音が鳴り出し、驚いてスマホを落としそうになった。

「え? え!」

 涼介くんからの着信に、ドキドキしながら通話ボタンにタッチする。

「もしもし」
『今、電話大丈夫ですか?』

 涼介くんの声が聞こえてきて、心拍数が跳ね上がる。

「は、はは、はいっ」
『すみません!』
「え?」

 突然謝られてびっくりする。

『休憩時間のことは、俺が鈴音さんに会いたくて勝手に行っただけなんで、気にしないでください!』
「気にしないでって言われても……」

 壁の時計を見たらもう九時半だ。
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