王子の初恋は私な訳ない
可愛いよ。
人間の頭ってキャパオーバーすると
それが事実なのか幻想なのか
分からなくなるものなんだね。

王子があの日言った言葉と
唇の感触がもし本物だったら
今までと違う朝になるのではと
ちょっとドキドキして登校した。

けど実際はいつも通り朝が来て
いつも通りの学校生活だった。

王子の顔をみても
やっぱり今日も綺麗だなって
思ったくらいだった。

やっぱり夢だったんだって
私が作り出した幻想なんだって思う。

「やっぱ、妄想って怖いわぁ。」
頬杖を付きながら行儀悪く
ファーストフードを食す。

学校帰り、澪ちゃんとももりんと
学校近くのフードコートにきていた。
「私からするとラーメン食べた後にそれ食べてるあなたの方が怖いわ。」
と言いながらブラックコーヒーを飲む澪ちゃん。
「なんかあったの?なりたん♪」
心配そうにみつめながら話してくれるももりんは、苺のショートケーキが良く似合う。

「いやさ、この前の放課後・・・」
「いつの放課後?」
「うーんと、澪ちゃんもももりんも居ない時だから、あー日直の時」
「あー♪あの日がどうしたの?」
「王子がね・・・いやでもやっぱ妄想だと思う。」
「なんだよ。」
「気になるよう♪」
「・・・なんかちゅーした気がするんだけど・・・」

きっとこの2人なら笑って「それ妄想だわ!目覚ませ!」って言ってくれるだろう。
そう思って経緯を話してみたが、思っていたリアクションと違った。

「え?あれ?笑わないの?」
おかしいな、あれ、もしかして妄想がデカ過ぎて引かれてる?あれ?
「なるほどねえ。」
と言いながら腕を組んで首を縦に降る澪ちゃん。
「これで繋がりましたねえ♪」
両手で頬杖を付きながらニコニコしてるももりん。
「え?どういうこと?え?」
2人を交互にみるが見慣れない含み笑いのまま。
「な、なに!?何がなるほどなの!?ん?」


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