王子の初恋は私な訳ない

「ギャッハッハッハ!あ、澪ちん!」
不意にこの特徴的は笑い声が聞こえてきた。
「あれ、シゲヤス来てたの。」
「ちょ、澪ちゃん、お笑いのコンビ名でありそうな呼び方やめてくれる?」
的確なツッコミを居れるヤス。
「あー、でも岩谷も来てるよ。」
「岩谷はマイペースだからねえ、置いてきた。」
そういいながらちゃっかり隣の席に座るシゲヤス。
「また女の子に捕まってたりして♪」
なんてももりんが言った矢先、王子を発見。
「あれ、美麗ちゃん来てたんだ。」
なにやら美麗ちゃんと話してるようだ。
王子と立ち話してるのを見ると、本当にお似合いのカップルのようだった。
王子はそこまで身長が高いわけじゃないからか、美麗ちゃんと並ぶとピッタリで、純粋派カップルって感じがした。

「つーかよ、なんでいつも岩谷ばっかモテるんだ?ねえ、澪ちん。」
「・・・知らないわよ。」
「シゲ。俺はモテるぞ。ねえももりん?」
「そうでしたっけ?♪」

そう話してるうちに美麗ちゃんと王子の話は終わったらしい。王子はどうやらシゲヤスを無事に発見出来たようでこっちに向かってきた。

「それなら私もモテると思うよ、女の子に。」
「確かにな。男でもなかなか出来ねえぞ、重い物持ってるのに、その上にまたダンボール持ってあげるなんて。」
「え?シゲ、それなに?」
「この前あの子の荷物持って上げてたんだよこいつ。」

ようやくたどり着いた王子は、最初なんの話をしているか掴めなかったようだが、段々分かってきたようで、表情が明るくなりシゲの話に相槌をうっていた。

「いやさ、俺女だったら確実に成田に惚れてたわ。」
「あら、私はとっくにこの子に惚れてるよ。」
「私も〜♪」
「そう言われたら俺も女だったら惚れる。」
なんて4人で何故か私に惚れる談義で盛り上がっているがおかしい。
「ちょっとまて。君たち。ありがとう、嬉しいよ。うん、凄く嬉しいんだどね。うんでもね、私・・・女なの。知ってる?」

そう言うと表情が曇る4人。

「そういや俺も男だったわ・・・」
「そういやこの子立派なおっぱいついてた・・・」
「あら♪私と澪たんは同性だけど、シゲさんヤスさんは異性でしょ♪」
「いや異性だけどさ、成田、ごめん。女としてはみれない。」
「ごめん、俺も無理だ・・・」
「私が振られた感じになってる!?あれ!?おかしくない!?あれ!?」

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