かわいい君まであと少し
「無理です」
「じゃあ、悠太さんでいいよ」
「名前呼びは変わらないじゃないですか」
「頑固だな。あと敬語」
「気をつけるね、望月さん」
私はこの話は終わりという感じで、雑炊の残りをかき込んだ。
望月課長は志穂ちゃんに「怜子は照れ屋だな」とか「悠太のほうが呼びやすいよな」とか言っていた。
私は完全に無視した。
志穂ちゃんの食事が終わり、少し部屋でゆっくりしてから近くの公園まで出かけた。
一応、ベビーカーも持って行ったが、志穂ちゃんが歩くのに疲れると望月課長が抱っこをしてあげていた。ベビーカーには荷物が乗っているだけだった。
「志穂ちゃん、抱っこできてうれしそうですね」
「まあな。志穂を抱っこするたびに泣かれてたから。それなりに寂しい気持ちになってたし。だから、こうやって抱っこできるのはうれしいな」
公園に着くと、志穂ちゃんはレンガで作られた花壇のほうを見ていた。そこへ手をつないで一緒に歩く。歩幅が小さいけれど、ちゃんと歩いていることに感動してしまう。
自分の親戚にもこれだけ小さい子がいないため、一歳はまだ赤ちゃんだと思っていた。でも、一歳はもう子供の部分をいっぱい持っているんだなと思う。
「志穂ちゃん、ほら、お花いっぱいだね。どのお花が好き?」
「これ」
指差したのは赤いチューリップだった。
「私もチューリップ好きだよ。それから、これも好き」
「じゃあ、悠太さんでいいよ」
「名前呼びは変わらないじゃないですか」
「頑固だな。あと敬語」
「気をつけるね、望月さん」
私はこの話は終わりという感じで、雑炊の残りをかき込んだ。
望月課長は志穂ちゃんに「怜子は照れ屋だな」とか「悠太のほうが呼びやすいよな」とか言っていた。
私は完全に無視した。
志穂ちゃんの食事が終わり、少し部屋でゆっくりしてから近くの公園まで出かけた。
一応、ベビーカーも持って行ったが、志穂ちゃんが歩くのに疲れると望月課長が抱っこをしてあげていた。ベビーカーには荷物が乗っているだけだった。
「志穂ちゃん、抱っこできてうれしそうですね」
「まあな。志穂を抱っこするたびに泣かれてたから。それなりに寂しい気持ちになってたし。だから、こうやって抱っこできるのはうれしいな」
公園に着くと、志穂ちゃんはレンガで作られた花壇のほうを見ていた。そこへ手をつないで一緒に歩く。歩幅が小さいけれど、ちゃんと歩いていることに感動してしまう。
自分の親戚にもこれだけ小さい子がいないため、一歳はまだ赤ちゃんだと思っていた。でも、一歳はもう子供の部分をいっぱい持っているんだなと思う。
「志穂ちゃん、ほら、お花いっぱいだね。どのお花が好き?」
「これ」
指差したのは赤いチューリップだった。
「私もチューリップ好きだよ。それから、これも好き」