キミに恋の残業を命ずる
予想した通り、雪はその朝に溶けてしまった。


何日か寒い日々続き、世間は忘年会シーズンを真っ只中に迎えていた。


もちろん、うちの社員たちも例外ではない。
普段つながりがある部署と合同で行って、一年間の就労を慰労しあい、親睦を深める。


社の中核と言ってもいい営業部はそう言った点で他部署よりも忘年会が多く、12月もまだ初旬だというのにすでに四回も行っていた。

当然、新卒でしかも新参営業部のわたしもすべて二次会まで参加していた。

けれども、今日の飲み会は一次会で抜けさせてもらうことにしていた。



「えー亜海ちゃん、もう帰っちゃうのー?」


ほろ酔いでふくれっつらを浮かべた麻美さんに、わたしは何度も頭を下げた。
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