キミに恋の残業を命ずる



その夜は泣いて、翌日も泣き通して身体中の水分が目から出て行ったんじゃないかと思うくらい泣いた。


その間、ずっと裕彰さんからメールや電話がきていた。

けれど話す勇気が出なくて、しまいには電源をきってしまった。





そして迎えた日曜の朝。





頭も身体も朦朧としていた。

もう涙は出てこなかった。
ただに放心状態になって、なにもする気力がなくてベッドに転がっていた。


不思議なのが、こんな時でもお腹がすくということ。

食欲が出てきたのは、立ち直りはじめた証なのかもしれない。

けれども、せっせと料理を作る気にはなれなかった。
料理でつながったわたしと課長。
いろんな思い出が甦ってしまいそうで怖かった。

もう料理は作れないかもしれない。

そう思うとひどく悲しくなって、また泣いてしまった。



そんな感じで日曜の午後も終わりに近づこうかという頃、ふいに甘いものが食べたくなった。


こんな時、やっぱり癒してくれるのは甘いものだ。
とびきり甘いスイーツを好きなだけ食べて満腹になれば、疲れきった頭も回復するかもしれない。



約二日ぶりに、外へ出た。

とたんにぶるりと震える。今日はいつもより寒かった。
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