放課後、キミとふたりきり。
「まあ、そういうことなら」
「よし! 買い出し班とか写真印刷班とか、それぞれ3つくらいに分けて動くからよろしく!」
「はいはい。……沢井」
矢野くんが私を見て名前を呼ぶ。
その真っすぐすぎる視線にびくりと肩が跳ねた。
嫌っている相手でも、矢野くんはこうして目を合わせてくれる。
それなのに、わたしは怖くて反らしたくなってしまうのだ。
彼の後ろ姿や横顔なら、いつまでもこっそりと見つめていたいと思う。
実は授業中に隠れて彼の横顔をスケッチするのは、ほぼ日課になっていたりする。
それなのに正面で目が合った状態では直視できない。
臆病な心臓が破裂しそうだ。
私は緊張しながら「ひゃい」とおかしな返事をした。
思い切り舌を噛んでしまっただけなのだけど、みんなが注目しているので恥ずかしくて穴を掘って飛び込みたくなる。