アオゾラをカナデヨ

やっぱり一緒にいて落ち着く、心地よい緊張感が私を包み込む。

夕暮れの街並みはいつもの景色だけど、2人だと全く違うものに見えてくる。全てがキラキラしているように。

いつの間にか駅近くまで来ていた。

夕方の駅前は人通りも多い。

向かいから走って来る自転車をよけるため、しゃべりながら私の方に一歩近寄る安斉くん。

ーードキッ！

安斉くんの腕が私の腕に触れる。

すると、ちょうど私たちを避けるように横を通って行く自転車がバランスを崩して急ブレーキを掛ける。

ーーキキーッ‼︎

その大きな音を聞いた瞬間、脳裏にあの雨の日に一平がぶつかる姿が浮かんだ。

「いやっ……」

一瞬頭の中が真っ白になり、咄嗟に目を瞑る。

そばにあった安斉くんの腕を掴んでいることにも気づかなかった。